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相模湾から日々の雑多なことどもを

サッカーをする子を持つ親のための10の心得

サッカーをする子に限らない話かもしれないけれど。そしてもう、かなり前から言われ続けていることだけど、やっぱり言われ続けなければいけないことなんだろうとおもう。
ノルウェーサッカー協会の「親のための10の心得」
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プレーするのは子どもたち!デンマークサッカー協会から学ぶ、親のための10カ条 | サカイク

もう30年近く前、ある大学の先生の研究(フィールドワーク)を手伝った友人から聞いた話。その先生は確か社会学が専門で、研究テーマに小学生のサッカーを取り上げていた。手伝った友人たちは全小大会に張り付き、出場チームのベンチ近くでひたすらビデオを回す、というお手伝いをしていた。ビデオと言ってもゲームを撮影するのではなく、ベンチを撮るのである。
問題意識は勝利主義に傾きがちなこういった大会で指導者の言動を記録し分析することにあるらしかった。研究結果は見ていないが、友人たちが先生から聞いた話の中に、ベンチでは子供達に「仕事」という言葉が投げかけられることが非常に多かった、というようなことがあった。文脈から判断するに選手一人一人の果たすべきタスクを問うたり、迫ったりすることが多いということだろうと察せられた。スポーツの起源は「遊び」であるはずなのに全国大会であるとは言え、小学生に「仕事(タスク)」を求めるのはいかがなものなんだろうと感じたことが思い出される。
スポーツをする子供たちのバーンアウト症候群があるということを聞いたのもちょうど同じ時期だった。
私自身はそんな話を聞くにつけ、狭い日本で日本一を競うことの意義に非常に懐疑的な考えを持つようになって、今に至っているし、当時から子供たちのスポーツ指導のあり方に警鐘を鳴らしていた人は少数ながらいたと思う。しかし、それは非常に少数で、声も小さかった。いま、ともすると問題の所在をわかっていても、やらかしてしまっている指導者や親はたくさんいるようにも思う。

初めにあげたリンク先は親に対する啓発的な内容だけど、特に幼少年代の指導現場の行き過ぎは親の意識にも関係していることだと思う。私自身はノルウェーサッカー協会の10の心得を初めて知ったのは10数年前だったと記憶してるけど、私がうまく言葉にすることができなかったもやもやしたものを率直に指摘していて、わが意を得たりと思うことばかりだった。
サッカー(スポーツ)を好きで始めたはずの子供たちの中に、嫌いになってやめていく子が少なからずいるというのはあきらかに大人の責任。指導者だってサッカーが好きなはず、こんなに魅力のある遊びの楽しさをどうして逆に捻じ曲げて子供たちに「課して」しまうようなことになるのか。よーく、よーっく考えないといけないと思う。

子供は毎年育ち代替わりする。それは親もほぼ同じ。だから、親のための10の心得はずっと言い続けないと継承されないんだろうと思う。